その違いが知りたい

警戒レベルと警報の違い

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内閣府は、2019年3月、「避難勧告等に関するガイドライン」を改訂しました。2018年の西日本豪雨で浮き彫りになった、情報と避難行動が結びついていない実態をうけてのことです。そこでは、5段階の「警戒レベル」が設けられることになりました。これまでの○○警報とは何が違うの?

警戒レベルと警報の違い

警戒レベルも警報も、水害・土砂災害が起こるおそれがあるときに発表される「防災情報」です。

その違いは、

  • 警戒レベル:住民が取るべき避難行動を明確化した防災情報
  • 警報:気象庁が発表する気象等の防災情報

警戒レベルが設けられることになったのは、逃げ遅れを防ぐためです。

大雨警報や洪水警報などの気象情報は気象庁が発表するのに対し、避難勧告は、自治体が発表します。しかしこれまでの発表の仕方では、住民が避難行動をとっていなかったことが分かったため、情報の意味が必ず分かるようにと設けられたのが警戒レベルです。

警戒レベル

出典:bousai.go.jp

雨の警戒レベルと警報

気象庁が大雨の際に発表する警報や注意報には、大雨、洪水、高潮などの警報や注意報がありますが、2019年3月からは、自治体が発令する避難勧告などの情報と合わせて、5つのレベルに分け、整理されました。

レベルの数字が大きくなるごとに警戒レベルも上がります。

  • レベル5 > レベル4 > レベル3 > レベル2 > レベル1

これまでの警報と避難勧告などの防災情報との関連の図を、気象庁より引用します。

避難レベル

出典:https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/alertlevel.html

気象庁のページから時間の流れを加えて、すこし単純にしてみると、こんな感じです。

取るべき行動 気象庁の発表
レベル5 命を守る 大雨特別警報 氾濫発生
レベル4 全員避難 土砂災害警戒情報 高潮警報/特別警報 氾濫危険
レベル3 高齢者等は避難 大雨/洪水警報 高潮注意報/警報 氾濫警戒 大雨の数時間~
2時間程度前
レベル2 避難行動の確認 大雨/洪水注意報 高潮注意報 (川の)氾濫注意 大雨の半日~
数時間前
レベル1 災害情報に注意 早期注意情報 大雨の数日~
約1日前

警戒レベル2で、これまでも出ていた気象庁の注意報レベル、レベル3では警報レベルです。警報が出たら、避難に時間のかかる高齢者や乳幼児とその支援者は避難を開始、レベル4になると、自治体から住民全員への避難勧告が出ます。

レベルは5までありますが、5はすでに災害が発生している状況です。レベル4が避難行動のレベルです。

気象庁によれば、多くの場合、気象情報のほうが、自治体の避難勧告等よりも先に発表されるということです。

気象庁の防災気象情報と警戒レベルの対応について詳しくはこちら

内閣府の警戒レベルのチラシはこちら、防災情報のページはこちら

警報と注意報の違い

津波の場合は?

津波の場合は、津波注意報が発表された時点で、一刻も早く避難しなければなりません。よって警戒レベル分けはありません。津波が予想された時点で、自治体の避難指示を待たずに自主的に非難することが必要です。

まとめ

警報は気象庁が発表する気象等の情報、警戒レベルは災害時の避難行動の情報である。警戒レベルは、災害時の逃げ遅れを防ぐために、2019年3月から新たに運用されている。レベル4で全員避難である。