その違いが知りたい

濃厚接触とは?厚労省とCDCの説明を引用してみた

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新型コロナウイルスの報道では、「濃厚接触」や「濃厚接触者」という言葉をよく聞きます。濃厚接触とは、どのような接触のことなのでしょう。いまいちよくわからなかったので、日本の厚生労働省やアメリカ疾病予防センター(CDC)でどのように説明されているのかを確認しました。

濃厚接触とは

国立感染症研究所の定義 ※追記

●「濃厚接触者」とは、「患者(確定例)」の感染可能期間に接触した者のうち、次の範囲に該当する者である。
・ 患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者
・ 適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察、看護若しくは介護していた者
・ 患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
・ その他: 手で触れることの出来る距離(目安として 1 メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定
例)」と 15 分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)。

また、4/20に発表された英学調査実施要領で、接した時期について、発症日以降ではなく「発症2日前」からとなりました。

本稿は、先の基本方針で示された患者クラスターの検出及び対応に関する情報に加えて、特に「濃厚接触
者」に関わる「患者(確定例)」の感染可能期間の定義を次のとおり変更した。
・発熱及び咳・呼吸困難などの急性の呼吸器症状を含めた新型コロナウイルス感染症を疑う症状(以下参
照)を呈した 2 日前から隔離開始までの間、とする。
*発熱、咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、頭痛、関節・筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐など

出典:国立感染症センター

厚労省の説明

問16 濃厚接触とはどのようなことでしょうか?
濃厚接触かどうかを判断する上で重要な要素は二つあり、➀距離の近さと➁時間の長さです。必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(目安として2メートル)で一定時間以上接触があった場合に濃厚接触者と考えられます。

出典:厚労省サイト

どうでしょう。わかりやすいでしょうか。何に接触なのか書いてないですが、人と人との濃厚接触、と考えるといいでしょうか。もしくは今回の場合は、感染した人との濃厚接触、と考えるとわかりやすいでしょうか。それから、ウイルスそのものとの濃厚接触、ともいえるでしょうか。

同じページで、このほかに、新型コロナウイルスの感染様式が説明されています。

問4 新型コロナウイルス感染症にはどのように感染しますか?
現時点では、飛沫感染(ひまつかんせん)と接触感染の2つが考えられます。
(1)飛沫感染 感染者の飛沫(くしゃみ、咳、つば など)と一緒にウイルスが放出され、他者がそのウイルスを口や鼻から吸い込んで感染します。
※感染を注意すべき場面:屋内などで、お互いの距離が十分に確保できない状況で一定時間を過ごすとき
(2)接触感染 感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、自らの手で周りの物に触れると感染者のウイルスが付きます。未感染者がその部分に接触すると感染者のウイルスが未感染者の手に付着し、感染者に直接接触しなくても感染します。
※感染場所の例:電車やバスのつり革、ドアノブ、エスカレーターの手すり、スイッチなど

出典:厚労省サイト

当然のことかもしれませんが、濃厚接触というのは、このような感染のリスクを高めるということですね。

NHKのサイトには、国立感染症研究所感染症疫学センターの説明が載っていました。もともとの引用元を見つけられませんでしたので、NHKのサイトから引用します。

「濃厚接触者」とは、「患者(確定例)」が発病した日以降に接触した者のうち、次の範囲に該当するものである。
i. 世帯内接触者:「患者(確定例)」と同一住所に居住する者
ii. 医療関係者等: 個人防護具を装着しなかった又は正しく着用しないなど、必要な感染予
防策なしで、「患者(確定例)」の診察、処置、搬送等に直接係わった医療関係者や搬送
担当者
iii. 汚染物質の接触者: 「患者(確定例)」由来の体液、分泌物(痰など(汗を除く))などに、必要な感染予防策なしで接触した者
iv. その他: 手で触れること又は対面で会話することが可能な距離(目安として2メートル)で、必要な感染予防策なしで、「患者(確定例)」と接触があった者(患者の症状やマスクの使用状況などから患者の感染性を総合的に判断する)

出典:NHK

こちらのほうが、わかりやすいですね。

というわけでまとめると、濃厚接触とは、感染者や感染者の分泌物に触ったり、分泌物を吸い込んだりする可能性があるということ。約2m以内という感染者との距離や近くにいた時間の長さ、正しい防護具着用の有無が目安。

距離は約2mと具体的な数字が書かれていますが、時間についてはとくに具体的な数字はありません。

CDCの説明

Close contact is defined as—

a) being within approximately 6 feet (2 meters) of a COVID-19 case for a prolonged period of time; close contact can occur while caring for, living with, visiting, or sharing a health care waiting area or room with a COVID-19 case

– or –

b) having direct contact with infectious secretions of a COVID-19 case (e.g., being coughed on)

If such contact occurs while not wearing recommended personal protective equipment or PPE (e.g., gowns, gloves, NIOSH-certified disposable N95 respirator, eye protection), criteria for PUI consideration are met”

出典:CDCサイト

濃厚接触は次のように定義されます

a)コロナウイルス感染者の約2m以内に、長時間いること;感染者の世話、感染者と同居、感染者を訪問、そして感染者と同じ医療エリアや待合室などにいるときなどに、濃厚接触が発生する可能性があります

b) コロナウイルス感染者の感染分泌物に直接触れたとき(例:咳がかかった)

推奨された個人防護具を着用せずそのような接触をした場合に、調査対象となります。

CDCの説明も内容的には日本とほぼかわりありません。こちらも感染者との距離は約2m、時間については具体的な数字はありません。

まとめ

濃厚接触とは、感染者の2m以内距離にいたり、一定時間同じエリアにいて、感染者や感染者の分泌物を触ったり、分泌物を吸い込んだりした可能性がある接触のこと。濃厚接触すると、ウィルスに直接触ったり、感染者の分泌物を吸い込んだりするリスクが高くなる。

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