その違いが知りたい

伝染病と感染症と疫病の違い

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最近は、感染症という言葉をよく目にします。伝染病や疫病という言葉もありますが、意味するところは違うのでしょうか。

伝染病と感染症と疫病の違い

結論から言うと、

  • 伝染病:感染症のうち、個体から個体へ伝播するもの
  • 感染症:病原体が生体内に侵入し、増殖して引き起こす病気
  • 疫病:伝染病のうち、集団発生するものの古い呼び方

うつるのが伝染病、微生物に侵されるのが感染症で、流行り病のことを昔は疫病と呼んでいました。

感染症には本来、個体から個体にうつらないものも含まれますが、一般的な話し言葉では、3つとも、うつる病気、の意味で使われることもあります。この意味では、時代と共に、疫病→伝染病→感染症と呼び方が変化してきました。

COVID-19のことも、コロナウイルス感染症、と報道でも政府の発表でも感染症が使われています。

というのも、日本の法律では現在、人に関する伝染病について「感染症」の言葉が採用されているからです。旧法では伝染病が使われていました。一方、家畜に関する法律では、現在も伝染病の言葉が使われています。

疫病には、農業の分野での植物のある細菌性の病気の意味もありますが、ここでは省きます。

まとめ

病原体が体内に入って増殖する感染症のうち、個体から個体にうつるものを伝染病という。昔は流行する伝染病を疫病と言っていた。現在は、伝染するものについても感染症の言葉がより一般的に使われる。

参考:広辞苑、コトバンク厚労省